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数年帰らなかったうちに、主人公の実家は変わり果ててしまっていた。
「…なに、これ」
家の中は「コ●ナは嘘！」「マスコミを信じるな！」という貼り紙やアメリカの国旗だらけ。
テレビは捨てられていて、一日中陰謀論系のYouTubeを見ている母、恭子の姿がそこにあった。
母の恭子はコロナ禍で、Q●ノン信者になってしまっていた。
――一週間前。
東京に勤める香澄の元に、田舎の父、優二から突然電話が掛かってきた。
「お母さんが大変なことになった」
「お母さんがどうしたの？」と香澄が聞いても父は「とにかく大変なんだ…」としか言わなかった。
母の変わりように驚く主人公だったがーーー
